スノーシューの魅力と育まれる感性 その2

ガイドの案内で

いろいろ見て回ったツアーの終盤、

道のない手つかずの森の中を

自由に自分で道を作りながら、

動物の気持ちになって歩いてみよう、

という遊びをします。

 

ルールは2つ。

「太陽の方向に進もう」

ということと

「まわりの枝に気をつけて進もう」

ということ。

 

手つかずの森の中を、

動物の気持ちになって歩く。

夏の間は葉や草が生い茂り、

とても歩ける雰囲気ではない森も、

秋になり葉が落ち、草も枯れ、

冬になってその上から雪が積もると、

森の見通しが良くなり、

歩けそうなルートが無数に現れます。

 

 

そんなフィールドを動物の気持ちになって

いわば自分だけの「けもの道」を切り開いて

歩いてみようという遊びです。

 

「どこを歩いてもいいの?!」

 

広い森の中を自由に歩く。

みなさんの好奇心がうずうずと

くすぐられているようです。

 

いざスタートすると、

大人は見通しをつけながら、

なるべく障害物のない

通りやすい道を選んで歩くという

戦略を立てる方が多いですが、

お子様方は勢いよく

それこそ本能のままに進みます。

これという正解のないフィールドに

自分だけの「けもの道」を刻みながら。

 

もくもくと進む人、

何度も立ち止まって確かめる人、

最短距離を進む人、

歩きやすい道だけを遠回りして進む人。

 

ゴールでみなさんの到着を待ちながら

様子をうかがっていると、

それぞれの個性が垣間見えてとても楽しいです。

 

 

行く手を木々に阻まれて、

ルート選びに難儀しているときは、

ちょっとその場にしゃがんでみます。

 

少し目線を下げて、

動物たちの視線に合わせて

改めて森を眺めてみると、

立っていた時には見えなかった

「トンネル」のような筋

が見えるようになってきます。

行きどまったときはしゃがんで

もう一度ルートを探し直してみる。

 

自分の「野生の勘」のような感覚を

思い出すための作業のような、

そんな時間にも思えてきます。

 

しばらく歩いて、

ちょっとした広場でいったん集合。

 

温かい飲み物をすすりながら、

お父さんの道はこうだった、

お母さんの道はああだった、

と振り返り。

 

自分の感覚を解放したような、

大いなる森と一体となったような、

そんな感覚をシェアしあえるのも

冬の森のスノーシューならではの体験です。

 

 

 

 

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